キャッチコピーもシズル感でしょ
仕事で食品のECサイトを手直ししつつ、バナーの画像に入れるコピーを考えていて、ふと昔のコピーライターさんの素晴らしいフレーズを思いだします。
糸井さんや仲畑さんなどなど。
そうした方々のコピーって、存在感はもちろんですけどそれだけじゃなくて、シズル感みたいなものまであの短いコピーに含めちゃうんですよね。しかも誰もがなんとなく『なるほど』と腑に落ちる。
ハラオチまでさせちゃうところがスゴイというか恐ろしい。
そこがいわゆる表現力なんすね。
そんなすごさがガシガシつたわる、思い出した食品関係のコピーをいくつか。
“なにも足さない。なにも引かない。”
サントリーのウィスキー山崎のコピーです。
足しもしなければ引きもしない。
ピュアな純粋そのものの状態が表現されて的確。
ズバッと小気味よくておいしそうという感じが伝わります。
“スカッとさわやか コカ・コーラ”
説明不要のコピーです。
ボトルから滴る水滴と日焼けした肌にコーラ瓶。
真夏に炭酸の刺激がまさに「スカッ」とくる。
トレンドを追うというより作り出してたCMで、ビジュアルもコピーもシズル感がものすごく出てました。
“「考えてみれば、人間も自然の一部なのだ。」”
キューピーマヨネーズです。
昔からキューピーは野菜と健康をコンセプトにしていてさすがだなと思います。
食品を扱うにはこの一貫性は大事だなと思う。
もう一つキューピーから。
“野菜を見ると、想像するもの”
案外身近なものや自分がよく知っているものをキーにして言われると、思わず想像してみちゃうんですよね。
そこをズバッとついてくる。秀逸なコピーです。
“hungry?”
日清カップヌードルです。
それを聞いた瞬間、何も見ずとも食べ物を想像してしまう。
シズル感を見せるというよりも、『自分でそれを感じろ!』と言われてついシズル感ある食べ物を思い浮かべてしまう。
僕の師匠は「コピーは徹底的にそぎ落とせ」だった。それを納得できるコピーです。
“ミルキーはママの味”
不二家のミルキーのコピーです。
そう言われたらそうなんです。
誰が何と言おうと。
その他、『シズル感』ある、それを感じさせるお気に入りコピー。
“クリープを入れないコーヒーなんて…”
~クリープ~
“コクがあるのに、キレがある。”
~アサヒビール~
“ビール、ビールと蝉が鳴く。”
~キリン一番搾り~
こうやってコピーを見てくると、商売のためのコピーなのだけれどそれらはまるで詩のようです。
現代の詩人たちがユーモアやセンスを活かして人々に語りかける、まさに現代芸術です。
時代が変わり、昔のように詩が詠まれるようなことがなくなっても、こうして芸術はいろいろなメディアで生き続けていくんですね~。
いやー、コピーって素晴らしいw