ブランディングって、結局「わかりやすさ」が大事。
いまさらですけどブランディングって、要するに「わかりやすさ」なんだと思います。
「この会社は何を提供してくれるのか?」
「この和菓子屋は何がおいしいのか?」
「この洋服屋さんはどんなジャンルの服がメインなのか?」
息継ぎなしで一言で言いあらわすことができる会社やお店。
そのへんがユーザーにダイレクトにわかりやすく伝わると、探す側からすると見つけやすい。
見つけたときにもユーザーの心にすんなり入りやすくて、心に残りやすくなります。
(その後の維持するためのブランディングはもちろん別に必要ですが)
テレビのリモコンみたいにならなければいいわけですよね。
リモコンは「万人ウケ」をねらって作られるので、家電マニアがよろこぶ機能もゴテゴテと付加しています。簡単に使いたい人からすると不必要なボタンがたくさんあるせいで使い方がわからなくなります。当然分厚い取説が必要になってわかりにくい。
わかりにくいものは覚えにくいです。
直感的にでもボタンが何の機能なのかすぐにわかる、誰がどんな状況でも理解できるユニバーサルデザイン化されたものであれば、マニアでなくてもすぐに使い方を理解できるわけです。
するとあっという間に体がおぼえて、見なくてもリモコン持つだけで操作できます。
だから企業がWebサイトやSNSなんかで前面に出すコンセプトなんかはわかりやすさが一番大事。
「うちのウリはこれ!」って宣言してれば探しやすいわけです。みるだけでわかっちゃう。ハッシュタグみたいに簡潔に。
BAKE Inc. という企業さんがあります。
この会社のWebサイトトップページにはこう書かれています。
私たちは、日本を代表するような製菓企業をつくり、 もっとわくわくを増やしていきます。 まずは、日本において圧倒的なブランドのコンテンツメーカーとなり、 感動を日本全国に広げること、また海外マーケットでも、 弊社のもつ商品品質の強み、クリエイティブの強みをぶらすことなく、 広げていきます。
わかりやすいですよね。
『日本を代表するような製菓企業をつくり』たい会社なのだなと。
この会社が何をしたいか、何をしていくのか。
最初の一文で全て言いきって、そのあとは「まぁ、ちょっと具体的に・・・」という具合。
変にカッコつけて小難しくしても、わかりにくくなるだけで人々はイメージしにくいだけです。
瞬間的にイメージしにくいものはユーザーの心の中でブランド化されにくい。
わかりやすいほど、心にするっと入り込みやすくなります。
また方法論としては、ブランディングしたいというときに現時点で周りからどう見られているかを探り、それを突き詰めるとブランドになります。
いちばん手っ取り早いブランディングの方法です。
すごく簡単ですよね。自分たちがやってることを「うちはこれ専門でやってます」って言うだけですから。言わなくたっていいくらいですけど、ブランディングなので宣言します。
ただ言いきっちゃうだけ。
(気持ちとして)最悪言わなくたっていいくらいw
銀座でかりんとうといえば「たちばな」さんがあります。
今では「東京のかりんとう御三家」などとも言われるくらい有名店ですが、始めた頃から有名だったわけでも、「東京のかりんとう御三家」を謳ったわけでもないはずです。
ひたすらかりんとうを作り続け、同じ味を守り続けたからこそ人々の心に刻まれて「東京のかりんとう御三家」の一つの「たちばな」になったわけです。
つまり、周りの人たちが見てて「あそこはいつもかりんとうを作ってんのね」というのでかりんとうのブランド店になった。
「たちばな」さんの場合は歴史があるので言わなくてもブランドが形成されるファクターとなりましたが、歴史がなくても、ある程度の人たちが知っていて、知っている人たちが覚えている特徴や何か一つを探り当てて、それをキャッチフレーズにしたり「いつも〇〇している△△です」とスパッと謳ってしまえば、わかりやすくて広めやすいです。
簡単でわかりやすいことは覚えやすいものです。
元Google社員で『世界一速く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのか』の著者で有名なピョートル・フェリクス・グジバチさんは「人によく言われることがブランドになる」と言っています。
自分や会社、お店が普段からやっている、自分たちからしたら当たり前のことがブランディングでウリにすべきこと、そのものなわけです。
企業の社長さんたちとお話しすると「うちは〇〇をやって□□もやってるから一つにまとめられない」とおっしゃるのですが、会社謄本の事業目的をイメージしちゃうのでまとまらないんですね、きっと。
おそらくその会社やお店に出入りする運送屋さんに言わせれば「あぁ、〇〇の△△会社さん?」という認識しかありません。
そこに最大のブランディングのヒントがあります。
一度お客さんだけじゃなく、出入りしている業者さんに「うちって一言でなんの会社?」「うちの店はどんな店?」と聞いてみるといいです。
一瞬へんな人と思われるかもしれないですが、きっとひとことで返してくれるはずです。
そういう意味では、出入りの業者さんは社外の人であっても、自社を一言で言いあらわせるほど自社ブランド最大の理解者かもしれませんね。
ニューエリート グーグル流・新しい価値を生み出し世界を変える人たち
いつも読んでくれてありがとね!