不運にも担当になっちゃった人へ…宣伝会議講師著『広報入門 プロが教える基本と実務』
僕が会社で広報活動を行うことが決まったとき、急いで探してざっくり読んだ本。

企業に入社して広報担当となった方や突然広報担当者になってしまった、なんて人にまずさらっと読んでおくといいかと思います。
本の内容は…
ニュースリリースの書き方やPRコンテンツの作成ポイント、BtoB対策やシティプロモーションまで、広く浅く(時に深く)書かれています。
中にはわりと大きな企業でないとなかなか遭遇することのないような場面、たとえば今はやりの産地表示偽装がバレた場合のマスコミ対策や(ほんとはダメね)、各マスメディアへの対応や報道後に想定される事象への対策、受けられない取材の断り方なんかも書かれていてこの辺は読み物として面白いところでした。
注意すべき点!
共著ということもあり、文のテイストがところどころ違っていて、マスコミの傲慢な雰囲気を感じる部分もありますが、まぁここではあえて突っこまないです。
本書の中でも触れていますが、SNSなど広報活動に便利なメディアを利用した各ステークホルダーへのアプローチは、メリットもあればリスクも常につきまといます。
何気なくつぶやいた一言が重大な問題を引き起こすことを当然知っておくべきで、その辺の勘所は自分のアカウントで利用するSNSでつかんでおくべきですね。PR担当者がSNSアカウントをもっていない人って意外といたりしますけど、それおかしいです。
実際の広報活動で役に立つ
本書のなかでコンテンツ創出に欠かせないトレーニング方法として「クリッピング作業」が紹介されています。
役に立つかどうかはともかく、手を動かしてニュース集めの勘やセンスを磨くには「クリッピング作業」が役立ちそうです。とはいえ、新聞や雑誌を切抜いて・・・などという今さらアナログな仕事もどうかと思うので個人的には気に入った画像などをzootool、pinterest、ブログなどはfeedly、clipixなどのクラウドサービスやソフトを利用して情報をまとめています。ただし情報は集めるのが目的ではないので、それらをいかに整理して分析し戦略立案できるかが重要な広報担当者の仕事となります。
企業の広報担当は社内での立場が微妙だというところは言いえて妙で、特に投稿したニュースリリースが採用されないような場合は自分自身も後ろめたい感じがします・・・。
そのためにニュースリリース投稿という作業をどう取り組むかという方法も書かれています。
具体的には、
① コンテンツ整理シートを作成して5W1Hの項目欄を設定する。
② テーマ別の書き方を紹介(例えば新商品リリースやイベント・キャンペーン、「後パブ」と呼ばれる達成リリースなど)
③ 配信先の選択
など。
そしてやはり重要なのはコンテンツ作りです。これがダメなら書く意味ありません。
高いニュースバリューの表明には以下の性質をうまく表現して盛りこむと食いつきよくなるという項目を挙げています。
1. 新規性・・・特に重要でブログを書く上でもかなり大事ですね
2. 特異性・・・今までにないユニークさ
3. 人間性・・・人の感情に訴える
4. 大衆性・・・多くの人の認知
5. 社会性・・・時事、社会問題
6. 影響性・・・社会への影響
7. 地域性・・・各地域に根ざしたもの
広報に欠かせない効果測定
広報部門あるいは担当者と、企業マネジメントにとって効果測定は非常に重要です。
あまり深くは触れていませんが、測定結果を上司に報告する、企業が利用する際の指標設定などその扱われ方や方法をさらっと書かれてます。この辺は別の本をあたると良いです。
BtoBの広報のむずかしさ
おそらく一般的に広報活動の難しさはBtoCよりもBtoBであると思います。
けれど『誰に、何を、どう伝えるか』といったことをロジカルにしっかり骨組みを作ることで、そのあたりはいくらかカバーできるのではないかと思います。
訴求する相手の設定をはずしていれば、当然なにをやっても反響など期待できないわけです。
プロモーション実践
本書の後半にあるシティプロモーションは実践的な内容で訴求する相手をいかに“腑に落とす”か、というところは顧客提案におけるもっとも大切な心がけだと思います。
