漁師の知り合いで認知症になった人を見たことがない話
僕は漁師のセガレです。
漁師町で生まれ育ち、家の周りの近所の人たちはみな顔見知り。
子供の頃は町をプラプラしてれば「よう!あっちゃん」と大人たちが声をかけてくれたものです。
時が経ち、声をかけてくれていた人たちも歳をとって、愛すべきおじいちゃんおばあちゃんになりました。
で、あることに気づきました。
うちの両親含め、漁師仲間の人たちには認知症がいないんです。
他の町の漁師さんたちのことはわかりませんが、少なくとも僕や両親の仲間にはいないんです。
親父にも訊いてみましたが「そう言われりゃ、聞いたことねぇなぁ」と。
結論言っちゃうと、日常的に魚を食べてるからだと思うんですよね。
なぜ漁師には(僕の知るかぎり)認知症がいないのか。
子供の頃の僕ん家の食卓
子供の頃、僕は牛肉が好きでした。
毎日、朝から晩まででも食べたいくらい。
でも実際に食卓にあがるのは、朝から晩まで魚、魚、魚。
ある意味、魚をおかずに魚をたべると言っても過言ではない。
しかも、セリに出せないグロい顔した魚多め。
グロいと言っても今では高級魚と言われるものばかりで、小ぶりのフグとかヒラメとか、カレイの煮付け、タカノハダイの塩コゲ焼きとかも。
危うく現在のさかなクンの地位を脅かす大人になるところでしたギョギョッ。
そんな感じなので、ちょっとした祝いごとのある日に伊勢エビやアワビがテーブルに出ていても見向きもせず、親戚が買ってきたケンタッキーを貪り食ってました。
自慢みたいですけど、当時はとにかく海の生き物ではない肉を食べることが生きがいでした。
たぶん他の漁師さんの食卓も「〇〇んとこが持ってきた」「今日はこれで昼にすんべ」などと、毎日3食のうちのどこかに魚が並んでたに違いないです。
魚を食べることが習慣化しているわけです。
それだけ魚ざんまいの食生活といえども、認知症とどう関係があるのよ?ってことですよね。
魚の栄養素に理由があるかもしれません。
その前に、普段どんな魚を食べてたかというとこんな感じ。
どんな魚を食べていたか
- イワシ
- アジ
- サバ
- さんま
- イサキ
- ショゴ(カンパチ)
- セイゴ
- ムツ
- フッコなどのスズキ系
- ヒラメ
- カレイ
- ギラ(ヒイラギ)
- タカッパ(タカノハダイ)
- タチウオ
その他いろいろ。
でもまぁ、いたって普通のスーパーでも並ぶような魚達です。
何にも珍しいものはありません。
(・∀・)
魚を食べることと認知症の関係の研究
ちょっと古いレポートですが「Consumption of Fish and n-3 Fatty Acids and Risk of Incident Alzheimer Disease」の中にこんなものがあります。
これによると、『65歳から94歳の高齢者815名を4年近く追跡した疫学研究の結果、週に1回以上魚を食べる人は、ほとんど食べない人に比べてアルツハイマー症発症リスクが60%減少する。』
ということです。
ここでも出てきますが、一般的に言われるように魚のDHAやEPAが深く関係しているようです。
じゃ、なんでDHAを摂るといいのかということですが、理由は名前は意外とよく知られているシナプスに関係があります。
およそ140億くらいある神経細胞でできている脳ですが、神経細胞それぞれが触手を伸ばしてシナプスという接合部分を作り、神経情報の伝達を行なっています。
DHAが多いとシナプスが柔らかくなって、伝達される物質の生産量が増える上、スムーズな伝達が行われるっていうことのようです。
ここで注意しなければいけないのは、昔よく言われた「DHAを摂ると頭が良くなるから魚を食べよう」は間違い。
能力は遺伝など、別のお話です。
あくまで現状の脳内での情報伝達が活性化されるということ。
DHAやEPAの摂り方
DHAやEPAを摂る方法として、不飽和脂肪酸のオイルなどがあります。
オメガ3不飽和脂肪酸は美肌効果やうつなどにも効果があるとして亜麻仁油が人気です。
「うつに効果」を期待しているのはおそらくEPA・DHAの脳への影響のことを言っているのだと思います。
亜麻仁油はオメガ3系のαリノレン酸が体内でEPAからDHAを作り出します。
しかし、人間はオメガ3系脂肪酸の代表格であるαリノレン酸からEPAからDHAに変換させることができる量はごくわずか。
それを期待するよりも、もともとEPAやDHAをたくさん含んでいる魚を食べた方が効率がいいんです。
つまり、魚を食べろってこと。
一般的に「青魚にDHAが多い」と言われてますけど、実はマグロのトロにも多く含まれています。
DHAは魚の脂、皮の近くや赤身部分に含まれてます。
高温で調理するほど熱分解や酸化が激しくなるので、焼いて食べるなどの方法が良いのではと思います。
アジの開きも干物にすると圧倒的にDHAが摂りやすくなります。
栄養素だけならサプリメントだけでいいのでは?
いろんなサプリメント飲みましたけど、結局のところ偏りが出るんですよね。
飲んだとしても意外と吸収はされてない。
サプリメントの栄養素をカラダに吸収させるためには、ちゃんといろんな食材を吸収しやすい食べ合わせができるように調理して食べること。そして補助としてサプリメントを飲むこと。
サプリメントはあくまで食事の『補助』なんです。
単体で摂っても吸収されるように作られてはいるものの、ビタミンCのように簡単に排出されます。
むしろ頼りすぎて1つの栄養素ばかりを摂りすぎると、そのために内臓を痛めて病院に通うことにもなりかねません。
実際アメリカでは過剰なサプリメント摂取で死亡に至るケースもよく耳にします。
コレなんかひどい。
『The $37 billion supplement industry is barely regulated — and it’s allowing dangerous products to slip through the cracks』
薬として認識されない、登録されないサプリメントが認識の甘さから命を落とすケースがたくさん起こっています。しかも容器のラベルに表示されていないような物質も含まれていたり、サプリメントは気をつけないと結構やばいです。
魚は本当に認知症にいいのか?
もちろん魚以外の肉も、僕個人的には食べた方がいいと思っています。
ただ魚が豊富に、脳に良いと言われるDHAやEPAを多く含んでいることは間違いない。
冒頭にも言いましたが、知りうるかぎり僕の周りの魚を日常的に食べている人で僕の両親と98歳まで生きたおばあさん含めて認知症の人はいません。
家系と言われればそうかもしれません。
ただ、世の中的に後期高齢者が増えて母数も増えるので当然かもしれませんが、認知症になる方は増えつづけています。
僕の実家がある町は、例にもれず過疎が進んで高齢者が多いです。
それなのに少なくとも魚を頻繁に食べる人で認知症になる人は知らないので、何は無くとも『とりあえず魚は食っとけ』というお話しです。
自分だけじゃなくてお子さんがいるなら、小さい頃から魚を食べる習慣をつけておけば将来的な認知症予防だけじゃなく健康にも成育にもいいはずです。
この本読むと『やっぱりそうでしょ』ってなります。
油を使うなら3種類をオススメしてるこの本も参考になります。
オリーブオイル 亜麻仁オイル MCTオイル キッチンには3本のオイルがあればいい
いつも読んでくれてありがとね!