社内の「ブランディング・チーム」という形骸
多くの企業でもブランディングというものを行なっていると思います。
一時期のブームで取り入れたり、戦術としての部分的な活動をそう呼んだり。
しかし、ほとんどの企業のブランディングが効果的ではなかったりしています。
その理由は案外単純です。
一つは「やっておかないとまずいよね」ということで作ってみた社内のブランディングチームの存在。
もう一つは全社的なものとして認識されていないことです。
その解決方法はたった2つです。
「ブランディング・チーム」の形骸化
企業のほとんどはブランディングの重要性を認識してはいるものの、日々のやるべき作業の忙しさによって手がまわらなかったり、担当部署が作られたとしてもそのリソースは結果的にブランディングに活用されないことが往々にして発生します。
こうしてブランディング・チームなどは形骸化されていきます。
BtoCであればなんとなくその効果を実感しやすいものの、それでも何をどうしたらいいかわからない。
そもそもブランディングの知見や裁量権限がまったくないチームが、成功することは至難のわざです。
形骸化から脱却して、ブランディングで成功するための素地をととのえるには、考え方と体制を見なおすべきだと思います。
担当者と経営側の逃げ道
ブランディングの失敗にありがちなのは、取り組みへの本気度の低さだと思います。
経営者側は、ひとつの安心材料として部署をなんとなくつくってみたりして「うちにはブランディングのチームを一応作ったので安心」というのをクライアントから感じることが多くあります。
担当者としては、「何か実行しようとしても決済権限もなくて時間だけが過ぎ、やがて誰もおぼえていない」という状況におちいる
目標設定をする必要があり、トレンドや情報変化のはやさについていくためには、小さな部署に丸投げしては忘れ去られるという負のループから脱する必要があります。
経営企画としてのブランディング
上記のような失敗を解決する方法は、たった2つしかないと思います。
一つは経営企画にブランディングチームを置く、もう一つはプランドプロミスを明確に設定することです。
1.ビジョンとミッションの再点検、あるいは見直しとブランドプロミスの明確化
ビジョンは、自社が社会のなかでどこに向かおうとしているか、どこに向かうべきかを示す方向性と社会のなかでどういった役割を果たすのかという目標の明確化。
ミッションはビジョンに掲げた目標をどう解決していくかを具体化したもの。
それを明らかにすることではじめて、自社の顧客にたいして何が提供できるのか、どういったことを約束し果たせるのかというブランドプロミスを設定することができると思います。
この設定ができれば、全社に周知し方向性を示すこともできます。
具体的には、従業員がどういった顧客への対応をすべきかがわかりやすく、サービスの向上につながります。
また、今後さらに深刻な人材不足におちいる日本の企業は、企業をえらぶ応募者からすれば、なにをすべき会社かが明確になっていなければ大きな不安材料となります。
人材採用という観点からもブランディングは重要なのです。
2.ブランディングのチームは経営戦略グループに加えるべき
チームが経営企画に存在することの意味はまず、ある程度の権限が与えられること。
トレンドを取り込まなければならない場合において、流行の最適なタイミングなどはあっという間に過ぎていきます。
そこで社内向けの書類だの多重の決済のハンコだのとやっているうちに、トレンドも季節もあっという間に過ぎていきます。
ある程度の判断はチームが率先して最速で行える環境は重要です。
また、外部のリソースに頼るような外注の施策もスムーズに行えれば、施策実施のスピードだけでなく、ブランディングの戦術における社内の知見もたまりやすくなります。
こうしたノウハウの蓄積はとくに重要です。
小さな施策であれば外部に頼らずに、書籍を読めば多くのことができるようになります。
そうしたことに前向きなスタッフを巻き込むことで、ちょっとしたブランディングのための作業もはかどり、また社内でも認識すべきブランドプロミスの伝播にも効果的だと思います。
以上の二つが実施できなければ、ブランディングは諦めたほうが賢明だと思います。
これらは「ブランディングで成功する」という取り組みの姿勢があるか、という企業の本気度を示す指標にもなるかと思っています。
いつも読んでくれてありがとね!