【仮説検証】Google Trendsは仮説を立てるのに超便利なツールです。
販促や新製品開発の企画設計をするときに、その一環として仮説検証をしていくわけですが、僕は取りかかりにGoogleTrendsを使います。
スマートフォンが普及して、年齢性別関係なく多くの人がインターネットを気軽に利用できるようになった今、このツールはSEO対策だけでなく、仮説を立てるときにも役にたちます。
(なにかを企画するときの仮説設計とその検証の重要性・方法は別の機会に。)
Google Trendsがあれば実際の出来事・事実とつき合わせ、想像力をはたらかせることで様々なことを読み取ることができます。
(ただしあくまでデータは“検索ワード”を基にした値なのでデモグラデータなども含めて考えることも必要です)
自分が売ろうとしている商品カテゴリーについて、人々が何を知ろうとしてるのか、それをどう使おうと考えているかといったことなどをタダ(無料)で知ることができるわけです。
もちろんこれだけでは裏付けが乏しいので他のWebアンケートサービスや資料をあたったりもしますが、とっかかりはこれで十分だと思います。
要は、ある程度の“流行”感覚と想像力さえあれば、Google Trendsでマーケティングにおける仮説設定が可能です。
実際にGoogle Trendsを使って仮説をかんがえてみる
例えばキーワードで「スーツ」を見てみます。
「スーツ」にもいろいろありますけどたいていは「ビジネススーツ」を検索していると思われます。
その証拠にこのグラフは毎年かならず3月に検索ボリュームのピークがあります。
つまり新卒の方がビジネススーツを買うために検索しているのでしょう。
ほかにもいつくか特徴があります。そこに想像力をはたらかせて推理・推測することが大切です。
食品で見てみると、例えば「豆腐」。
下のグラフからは「豆腐」が検索される理由のほかに、ユーザーの検索方法における、ある事実が見えてきます。
2010年12月を境に、年をおうごとに全体的にボリュームが上がっています。
2010年に何が起きたか?それがわかると、この全体的なボリューム上昇の理由が分かるわけです。
実は2010年後半から日本の各メーカーが多機能スマートフォンを発売しています。
日が経つにつれてより多くのひとがスマホを使いはじめた結果、主婦層が料理レシピなどを検索するようになり全体的なボリュームアップにつながったわけです。
その証拠に関連する複合キーワードには「豆腐 レシピ」などが存在します。
さらに踏みこむと、これを検索する人たちは料理をしながらスマホを見ているということも考えられます。
そしてもっと重要なことは、毎年の同月ごとにボリュームが同じような推移をしている点です。
- 年間を通して5月が売上のピーク。
- 8月に売上が一旦落ちる。
- 12月に一年のうちでいちばん売上が底になる。
このことから『お豆腐屋さんはこの流れにあえて逆らわず、売れる時期にどれだけ売上・利益を最大化できるかを考えて施策展開していけばいいのでは?』という仮説が生まれます。
実際に全国のお豆腐屋さんの年間売上はたいていこのサイクルに当てはまります。
たったこれだけのデータから、仮説の設定と、ある程度あたりをつけられるだけの根拠となるものが見えてきます。
しかし、こういう仮説の組み立てがしっかり明確化できないと、その後の検証段階で目的を見失って検証データのズレを生んでしまいます。
その影響は後々までひびいて、施策展開やDMPを導入したりといったことをやっても効果は薄くなるでしょう。
マーケティングはフレームワークや手法の知識も必要ですけど、想像力を働かせてロジカルに考えることが重要です。
『ポール・スローンのウミガメのスープ
』はその辺を鍛えて、あたまを柔らかくしてくれます。