【失敗は成功のもと】失敗体験は組織や人にどう影響するか
昔、先輩に「会社に大きな損害を与えない程度なら失敗していいよ、その方が成長するし」と笑いながら笑えない冗談を、半笑いで言われたことがあります。
確かにいろいろ経験してくると、失敗したあとの成長ってあるとは思います。
けれど、その先輩にしろ僕にしろあくまで経験則の感覚的な発想です。
いわゆる『失敗は成功のもと』。
小さいころはたいていの親が言ってますよね。でも、なぜかは教えてくれない。
とにかく「そういうもん」だと。
ところがこの“なんとなく”そう思われていた『失敗体験が人を成長させる』という事象は成立するのか、ピーター・マドセンとヴィニット・デサイという経営学者が研究し論文として発表しました。
検証のモデルとして「宇宙ロケット打ち上げにおける成功と失敗の体験」を研究対象にしました。
組織を想定していますが、個人におきかえてもそう違いはないはずです。
組織が過去からどう学ぶのかをテーマに、失敗か成功かの判断がつきやすい人工衛星ロケット打ち上げのデータをもとに展開しています。
4000回を超える打ち上げデータから失敗と成功を集計し、成功と失敗をそれぞれ体験した組織が、その後の成功確率を上げているかどうか比較検証しました。
その結果、
『失敗すると成長するよね』
という結論に至りました。
逆に、成功しかしていない場合は「サーチ行動(新しい考え方・アイデア・知見・情報などを常に探す)」をしなくなるために失敗確率が高まってしまうことがあるそうです。
『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』には“こう言われてるけど、実際のところどうなのよ”っていうことが丁寧に書かれています。
学者然とせず平易な文章で、一つ一つの問題提起にきちんと論理的に答えをだしてくれていて非常に読みやすい。
タイトルはかっちりした内容を連想しますが、スラスラ読めます。
経営者の方にはもちろん、それ以外の方にも最近の経営学の潮流を知る最適な本です。
ほんとうにおもしろいので、激しくオススメ!
いつも読んでくれてありがとね!