ベジタリアン、とくにビーガンは本当に健康で自然に優しい・・・と思っているのか知りたいんですけど。
ビーガンの人は本当に自分が健康体だと思っているのか?
その食生活が地球環境に優しく、よい影響を与えていると思っているのか?
すごく知りたい。
ビーガンを否定はしませんが、ほんとうにカラダと自然にやさしいのか疑問です。
たんぱく質一つとっても、一日に必要な量を植物から摂るには相当な量の食事が必要です。
たとえば青魚に多くふくまれるDHAは、アマニ油を摂ることで体内合成で摂取できるといいますが、一日の必要量を満たすにはかなりな量の油を摂取しなければなりません。
とても酸化しやすいデリケートな油なので使い方も限定されますし。
他にもビタミン12などは野菜中心での食生活ではだいぶ不足します。
「植物性たんぱく質の筋量アップへの効果は薄いと思う」と言っているフィジーク選手もいます。
ヒトとゴリラのからだを比較することの無意味さ
比較対象としてよくビーガンの方が「ゴリラは菜食主義なのにあの筋肉!」といいますが、遺伝子がそもそも違うのと、体内での栄養素分解能力が完全に異なります。
ゴリラは菜食でも、たべた野菜やくだものの少ないたんぱく質を効率よく吸収できる酵素なり腸内細菌をもっています。
ゴリラもヒトも永い年月をかけて現在のすがたに進化してきました。
進化の過程で両者は約1000万年前に別の道をたどり、ヒトはチンパンジーと進化分かれした約700万年前くらいから、狩猟採集をしてきました。
有利な突然変異を除けば、およそ数十万年で遺伝子変異レベルでの進化をすると考えても、ヒトの「菜食主義ブーム」がおこったここ数十年で、数百万年と続けてきた栄養素の摂りかた・食のスタイルを変えることはとても難しい。
(「チンパンジーとヒトの遺伝子が99%同じ」といわれるのは、遺伝情報を比べるときに大きく異なるところを切り捨てた結果の「のこりは似てるよね。」ということであって、種は近いがほぼ同じということではない。ちなみにヒトとバナナは50%同じといわれている。いわゆる、そういうことw)
ほんとうに究極の健康なカラダを目指すなら、マクロ(三大栄養素)とそれ以外のビタミンやミネラルをひとつひとつ緻密に計算してすべての食品から摂る、ということに尽きるんではないでしょうか。
でもビーガンでもそこまでやってる人はいないと思います。
ビーガンは自然にやさしい?
たんぱく質を自然由来で効率よく摂るとしたら主に大豆だと思います。
ビーガンやその他のベジタリアンも、たんぱく質摂取には大豆がとても効率的で自然環境にたいしてもとても良いものだと思っているはずです。
実は、残念ながら大豆の生産は自然に優しいかというとそうでもない。むしろ真逆です。
大豆は土の栄養素をかなり吸い上げます。一度収穫するとその土壌の栄養分が半減するため、二度収穫が終わったあとは土壌改良を行います。
つまり、毎年天候がよければ同じ収穫が見込めるわけではないということです。必要収量分の倍は土地が必要になるわけです。国によっては森を切り開く必要が出てくるでしょう。
国内産大豆のように甘みのある栄養価の高い大豆をつくろうとすると、輪作といって水稲栽培を交互におこなったり、土壌改良したりして時間をかけて土壌をつくりかえます。
もしそれを行わない場合は格段に味と収量がおちることになります。
土壌改良も大量のたい肥を使いますが、たい肥を十分に完熟させないと、そこに含まれる種子から雑草が生えるために多くの除草剤を使うことになります。
アメリカなど、他国の大豆生産はとにかく収量を増やすために様々な手を使いますが、無理して収量を稼ぐためあまり味のない大豆ができあがります。
国産大豆と外国産大豆で作られた豆腐を食べ比べしてみてください。間違いなく味の違いがわかります。
ベジタリアンの強要
「肉を食べなければ健康になれる」というのは、残念ながら現代ではまったく通用しません。
市販の野菜ジュースも、無農薬の野菜を使用していたのでは企業は儲かりません。
収穫量をあげるために農薬をどんどん使っています。しかし紙パックのラベルにはその詳細は明記されません。
毎日飲みつづければ何らかの影響がでてくるかもしれません。
大規模な野菜農家の畑を見に行くとわかりますが、雑草がほとんどありません。
たいていは除草剤など「人体に影響のないレベル」で使われています。
健康を得られるはずのものも、摂りすぎれば問題がおこる可能性はあるのです。
肉類を食べなくても間違いなく病気になるリスクはあります。
菜食生活はアレルギーや精神疾患、精子の変異などがおこりやすくなることが報告されています。
また「肉食でガンになる」ということもよく言われますが、ガンの発症プロセスは人によって異なるのでベジタリアンであろうがなかろうが罹患する人はします。
ビタミンDやB12が不足しがちなビーガンも、当然ガンになる可能性はあるわけです。
若い人でビーガンをゴリ推しする人もいますが、若いうちは代謝量も安定していて太りにくいので野菜中心の生活をしていればほとんど贅肉も付かず、肌の質もそこそこ維持できるからかもしれません。
若いうちは一度に(満腹になるほど)たくさんの菜食をすることができます。
しかし代謝が悪くなり、胃腸もよわくなる30〜40代以上になると、若いうちに野菜だけでおぎなえていた栄養素の量では足りなくなります。
そのために病気がちになったり、アレルギー体質になってしまったりする可能性は十分あります。
健康維持のため運動をするのに必要な栄養をしっかり摂ることで、健康は維持されるものだと思います。
先にもあげた通り、何万年もかけて進化してきたヒトのからだを、ほんの数十年で急激にゴリラのような菜食で効率のいい健康体にしようとしても、そうはなりませんから。
「ビーガン」って言葉はなんかカッコいい。たしかにカッコいい。
カッコいいからやっているのか、実行する先にある「環境対策」であるとか「動物保護」も含めてやっているのかでもだいぶ意味が違うと思います。
自然環境を守りたいとビーガンになっても、休みのたびに長距離を一人、車でサーフィンしに行くのはなんか違和感があります。
せめて複数人で乗り合いで行くほうが環境にはいい。
いちばんの問題は、供給過多の「食料の飽和」状態が続いていることだと思います。
人間の『心』がいちばん健康でない証拠だなと。
あ、ちなみに菜食のゴリラの寿命は長生きしても40年くらいです。
いつも読んでくれてありがとね!