ことばの『異物混入』
僕は◯クドナルドでコーヒーくらいしか買ったことがないのだけれど、かなり昔にメールアドレスを登録していたらしく、以下の内容のメールが送られてきた。
お客様各位
平素は◯クドナルドをご愛顧いただきまして、誠にありがとうございます。
この度は、一連の異物混入におきまして、多くのお客様にご心配とご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。云々・・・。
最近の異物混入さわぎのお詫びメールらしい。
TV業界が好きそうなネタなので延々報道されてるけど、誰だって何度かは異物の入った食品など◯クドナルドに限らず遭遇してるはず。
大スポンサー様のはずが、案外長いことネタ切れTVメディアの餌食になってますね。
んで、話が脱線しましたけど僕はこの謝罪メールの方が異物混入よりも残念だなぁ、という気がしました。
「お客様各位」…!?
最近よく使われるらしいこの言葉、なんだか違和感あるよな〜と思ってよくよく調べると、間違いではないけれど正しくはない。
「各位」という言葉はそれ自体が敬称であり「様」や「御中」などと重ねてつかわないのが基本で、ちょっと調べればわかること。
言葉は時代と共に変化していくし、今は一般的になりつつあるから間違いじゃないかもしれない。
けれど正確ではない。
正確ではない言葉を、申し訳ないと謝るべき相手や大切なお客様へ語りかける場面で不用意に使ってしまうところに、すでにスキがある。
僕は今、食品メーカーでWeb担当をしてますが、立場上直接お客様に詫びを入れることもあります。
そのとき、まずすべきことは徹底的に非を認めて謝ること。そのときにどう言い繕うかよりも、申し訳ない気持ちをどう表現すればよいかを考えます。
そしてメールや電話、直接会う場合にしろ、言葉一つ一つをよく考えて伝えます。
人間アタマにきたときには誰しも、何かにつけツッコミを入れたくなるものだから。
こういうときこそ想像力をはたらかせて『逆の立場だったらどうなのか?』を考えたら簡単に答えが出る気がします。
夢をみるだけが想像力じゃない。
古くさいことを言うつもりはないけど、思慮深く繊細なところが日本人らしくていいと思う。
「お客様各位」…。
言葉の異物混入ですよ。
ダメだこりゃ。次いってみよ~