オーストラリア旅行のビザ、種類と目的について
世界のなかでもかなり信頼度の高い日本のパスポート。それを象徴するように、現在ビザなしで渡航できるのは189カ国となっていて、ヘンリー社のサイトを見ると、この記事を書いた2018年末の時点では世界1位となってます。
そんな日本であってもオーストラリアへのビザ申請はなかなか厳しくて、渡航者の目的別に、番号のついたサブクラス(Subclass)としてこまかく分類されてます。
たくさんビザの種類があるけど旅行や留学で行く人は、まずはどれを選んだらいいのか?という疑問に答えます。
この記事では、こんなことがわかります。
- オーストラリア観光旅行には、どんなビザがあるか?
- オーストラリア旅行におすすめのビザは何か?
永住者やブリッジビザなどの高度なビザが必要な方はこちらのオーストラリア内務省のページが役立つかと思います。
では、日本のパスポートを持っている人が取得できるビザの種類を見ていきたいと思います。
オーストラリアの滞在ビザ
大まかに目的別に分けると3タイプです。
- 観光目的の短期ビザ
- 観光含め、仕事の会合や公用目的のビザ
- 語学留学やワーホリの長期ビザ
Electronic Travel Authority (Subclass 601):ETAビザ
電子入国許可(Electronic Travel Authority System)、通称ETA(イータ)とかETAS(イータス)とか言われます。
最大で3ヶ月間、短期の観光と短期商用・公用での場合に必要となるビザです。申請も簡単ですしパスポートに何か書き加えられるわけではないので若干不安になるかと思いますが問題ありません。
基本的にオーストラリアのビザは電子上で管理されます。
空港通過時は入国審査官があなたのパスポートを見ながらオンライン照合するだけです。不安であれば申請後に送られてくるETAの番号を控えておけばいいと思います。
取得をカンタンに済ませたいという方は、料金も安い代行業者もおすすめです。
自分で取得するとASD20(日本円で¥2,000)は取られますが、代行会社に依頼すれば、からくりがあって格安の千円以下で取れてしまいます。
もちろん合法なので安心です。
このビザで入国できるのは、日本・アメリカ・カナダなど9カ国の国と地域のパスポート保持者のみです。
日本人がいわゆる「観光」目的でオーストラリアに行くなら、このビザを取ればいいです。
商用でも公用でも3ヶ月以内であればこれで事足りますが、『現地でお金を稼ぐ』行為はできないです。
商用でお金をやり取りするような場合は一時就労(技術職)ビザ(Subclass 457)などが必要になります。
ビザは、自国民の仕事を奪うような行為を監視する役割ももってるわけですね。
さらに、もう3ヶ月以上休暇で滞在したいなぁ〜という場合は、現地で訪問ビザ(Subclass 600)を申請することができます。ただ、現地での滞在延長を手続きするのはけっこうたいへんです。
行く前にしっかり計画して行きましょう。
Visitor visa (Subclass 600)
観光ビザです。
一見ETAとの違いが微妙ですが、ちゃんと区別されます。
大きな違いは、ETAはワーホリや学生ビザの期限が残っていると取得できないですが、このSubclass 600ビザは取得可能で、持っているワーホリビザや学生ビザが上書きされる点です。
このビザには4つのストリームがあり、申請時に選択します。
以前はそれぞれ独立したビザでしたが統合されて、サブカテゴリーとして4つのストリームに分けられています。
最大で一年間滞在できるので、旅行保険には加入しておいたほうがいいです。
ちょっとした診療でもかなりな額になりますので。
観光ストリーム
3ヶ月、6ヶ月、最長で12ヶ月まで許可されます。(必ずその期間与えられるものではありません)
観光や知人への訪問などで利用します。
申請はオーストラリア国内でもできますが、その場合はオーストラリア国内で受給します。
商用公用ストリーム
最大3ヶ月で、一般的なビジネスの雇用交渉や会議、展示会への参加、商談などの際に取得します。12ヶ月まで認められる場合もあるようですが、豪内務省は「可能性もある」としています。
取得時は国外にいる必要があり、有効な期間内であれば複数回、出入国ができる可能性があります。
Sponsored Family ストリーム
オーストラリア国民や永住権を持つ人が身内にいて、その家族や友人を訪問するためのビザです。場合によっては豪在住者が保証金(Bond)を収める必要があります。
3ヶ月まで勉強したりできますが、それ以上はできません。
また、期限前に出国する必要があります。
参考:移民局公式サイト
Approved Destination Status(ADS)ストリーム
中国の方がツアー参加する際に取得してもらうもので、日本人には関係ないです。
Transit visa(Subclass 771)
乗り継ぎビザです。
飛行機の乗り継ぎで8時間以上オーストラリア内にとどまらざるを得ない場合は必須です。
ただ、長時間立ち寄るならETAを取得しておいて「2泊して観光」などもおすすめです。
このビザが存在する理由としては、空港によっては施設内に長くとどまれない決まりがあるためのようです。
Medical Treatment visa (Subclass 602)
医療ビザです。
観光目的であれば全く無関係です。
学生ビザ(Subclass 500)
今までは8つのカテゴリーに分けられてましたが、教育機関に通う学生はこのサブクラス500の学生ビザを取ることになりました。
なので短期の語学留学などはこれになります。
(ガーディアンビザはサブクラス590です)
申請に必要なもの
- 入学許可書
- 身元証明できる戸籍謄本やパスポート
英語力証明や資金証明は日本人であれば申請に必要ではないようですが、学校によって必要になる場合があります。
ワーキングホリデー ビザ(Subclass 417)
いわゆる“ワーホリ”ビザです。
一生に一度しか取得できない貴重なビザです。
申請時に18歳以上、31歳未満であることが条件です。
取得にはそれなりの費用がかかりますので、申請は慎重に。
過去の犯罪歴や国外退去処分経験、精神疾患などがなければオンラインで問題なく手続きを進められるはずです。
昔はオーストラリア大使館へ行って、申請書類を手書きして、提出し直しで2、3回行くはめになるということもありましたが、今は電子化されて楽勝です。
申請の流れは移民局へ自分のアカウントを作成し、ログインしてオンラインで申請するだけです。
以上がオーストラリアに観光旅行で行くためのビザの紹介でした。
たいていの旅行者は上記のビザで事足りると思います。
取得時の注意点
- ビザ申請時に滞在予定期間中のパスポート有効期限は十分か?
- 申請に必要な情報、お金はそろっているか?
- 目的に合ったビザか?
- 取得時点で申請方法は変わっていないか?
1.ビザ申請時に滞在予定期間中のパスポート有効期限は十分か?
パスポートは現地の大使館などで発行は可能ですが、パスポート番号が変わってしまうので、ビザの種類によっては紐付けできなくなります。そのあとの手続きも面倒で時間も無駄になるので日本での更新をしていったほうが無難です。
「役所の手続きも勉強だ」っていう人もいますが、それが何かに役立つことはそうないので、むしろ貴重な時間は観光やビジネスにつぎ込みましょう。
2.申請に必要な情報、お金はそろっているか?
ビザの種類によっては申請料が大金になるものもあります。却下されたときは基本的に返還されないので、申請は慎重にやりましょう。
個人的には慎重になりすぎでいいと思います。
あとはエージェントに頼むのも一つの手です。
3.目的に合ったビザか?
目的に合わないビザを取ってから「実はこっちに変更したい」となっても、変更できないことも多いです。
特にワーキングホリデービザは一生に一度だけなので、取得の仕方によっては自動的に切り替わって無効になってしまう場合もあります。
4.取得時点で申請方法は変わっていないか?
ビザの申請方法や種類などは変更になることがよくあります。
このページでも変更されたときは情報を更新したいと思いますが、申請時には「在日オーストラリア大使館」の公式ページなどをチェックしましょう。
ビザは必ず支給されるわけではないということを意識しておいたほうがいいです。
なので航空券はビザが取れたあとに購入すべきですね。
オーストラリアのビザの取得しやすさ
年々、審査が厳しくなっています。
違法性が見つかった場合などは申請却下や、すでに渡豪していれば強制退去ということにもなりかねません。
厳しくなる要因の一つだと思いますが、よく聞くのはワーホリ後に観光ビザでさらに仕事をしようとする人がいます。
たいてい怪しまれて申請も却下されますが、そもそも違法な行為は自分だけでなく、そのあとに純粋にワーホリなどを楽しみたい人の旅行すら困難にすることにつながります。
絶対にやめましょう。
「恥のかき捨て」は本当にダサいです。
オーストラリアのビザ、オススメの選び方
それぞれ人によって楽しみ方が違うと思うので、ご自身に合ったビザを取得するのが良いかと思います。
参考までに、いくつか目的別に取得するビザについて考えてみました。
ダイビングのライセンスを取得したい
ライセンスの種類によって日数が変わりますが、いちばん初級のオープンウォーターライセンス取得で8日間のツアーを組むところが多いです。
さらに上級のダイブマスターをいきなりとる人はいないと思うので、取得と観光を含めても1ヶ月あれば十分。
オススメのビザ
- ETAビザ(Subclass 601)
飛行機のライセンスを取得したい
僕がワーホリに行ったときに出会った日本人の中で、飛行機のライセンス取得を目指している方がいました。
「航空会社への就職にも少し有利」と言っていました。
オススメのビザ
- 学生ビザ(Subclass 500)
時間がかかるため学生ビザがいいかと思います。
学校によっては、IELTSの英語力証明が必要になる可能性があります。
ちなみにオーストラリアで取得したものは日本ではそのまま使えないそうです。
仕事としてのパイロットになるには、まずオーストラリアで自家用のライセンスを取り、日本に帰国してから日本ライセンスに書き換えたのちに事業用の免許取得するという流れのようです。
オーストラリアを一周して他の国も行きたい
もう一択です。
オススメのビザ
- ワーキングホリデー ビザ(Subclass 417)
もうこれを取得しておけば問題ないです。
他の国、例えば日本からだと遠いインドネシアやツバル諸島、ニュージーランドなどへ短いフライトで行けちゃいます。
距離が近いということは当然、航空券も格安なわけなので、これは絶対おすすめ。
ただし、ビザの期間は他の国に行ってる間も含まれるのでご注意を。
まとめ
オーストラリアへの観光旅行は、下記の3つのいずれかを選べばほとんどのやりたいことができます。
- 短期の旅行 => ETAビザ
- 短期、長期の語学留学と観光 => 学生ビザ
- 長期で観光も仕事も楽しみたい => ワーキングホリデービザ
以上、オーストラリア旅行で必要なビザの紹介でした。
いつも読んでくれてありがとね!